神道の祭祀で用いられる御幣(ごへい)は、2本の紙垂を竹または木の幣串に挟んで作ります。別名幣束(へいそく)、幣(ぬさ)ともいいます。
神官さんが頭上で粛々とお祓いをしてくださると、気持ちがすがすがしく軽くなるのが不思議です。
百人一首にある歌「このたびは ぬさもとりあへず たむけやま もみじのにしきかみのまにまに」
その意味は、「今度の旅(今回)は急だったので、神様に捧げる幣(ぬさ)を用意してくることができませんでした。手向山の紅葉を(手向けに)お捧げします。御心のままにお受け取りください。たび、たむけと掛詞を用いた巧みな和歌です。
鮮やかな紅葉をきっと神様も喜んでお受け取りくださることでしょう。
画像は高知県四万十町中津川の紅葉。