お茶にもいろいろな品種があります。しかし、日本全国で栽培されているお茶の品種の9割を「やぶきた」という品種が占めているそうです。
山村には「やぶきた」のほかに「山茶(やまちゃ)」と呼ばれる茶があります。品種名は分かりません。もちろん味も香りも立派な「茶」です。「やぶきた」以前に栽培されていた品種が残っているのでしょうか、あるいは自生していたものでしょうかけっこう大きな木も見かけます。
おなじみの日本茶はお茶の若葉を摘み取って加工場で蒸して作ります。一方、釜炒り茶といって茶葉を釜で炒ってつくる方法があります。
火にかけた鉄釜で炒り、手で揉みながら乾燥させていくという作業を繰り返して作ります。釜炒り茶はあっさりした味と、少し香ばしい香りがします。
「山茶」は釜煎り茶にして日常使いにします。
五月晴れの農家の庭先、このように釜炒り茶を干す風景が見られます。
独特の香ばしくて同時に草の青さを感じさせる美味しさを、ぜひ皆さんに味わっていただきたいですが
「山茶の釜炒り茶」は農家の自家用なので市場にはあまり流通しません。