日本最古の農書である「農業全書(のうぎょうぜんしょ)」は1697年、今からおよそ300年前に出版されました。
有名な書ですが、あらためてじっくり読むと、おお!と、驚いたり、なるほどーと頷いたりすることがいっぱい。
たとえば
今はお花として楽しんでいる「鶏頭花(けいとうげ)」が「野菜の一種」として記されています。
曰く
「ゆがいて和え物、おひたしにすると味がいい。
花は様々で見事である。
性(しょう)がいい。(食べると健康にもいい。)」
また、「肥えた畑で作ると茎葉が大きくなってよい。」そうです。
秋の里山、人家の片隅に咲くケイトウの色は赤、黄、ピンク・・・、形も文字通り鳥の鶏冠に似たものから尖った穂状のものと様々です。
今はもっぱら花として栽培されるケイトウは、痩せ地のほうが茎葉がコンパクトになり花姿が美しい、というのが栽培の常識になっています。
食べるか、眺めるかで、形の評価の視点ががらりと変わる。
そういうのも面白いよね。