7 漁師のおかあさんの心意気  海生丸(高知県)

 高知県黒潮町のJR土佐佐賀駅で降りて、10分も歩かないうちに「海生丸」の玄関先に到着。玄関先にはあふれるような季節の花が迎えてくれます。

 オーナーの明神さんのおうちのお座敷が客間です。始めて泊まった時、客間に入って真っ先に、床の間に祭られたたくさんの神仏にびっくりしました。

海生丸のおかあさんが座敷でお茶を入れながら、仏壇や神殿に込められた「いのち」、「祈り」のお話しをしてくれました。

漁師の生活は「板子一枚下は地獄」という厳しさがあります。漁師町の土佐佐賀地区では、夫や息子を案じる妻、母の気持ちが神仏混淆、大きな仏壇や神殿のある座敷という居住環境や文化を作り上げたのですって。おかあさんは初めてのお客様に必ずこのお話しをしてくれます。お話しするときのおかあさんは少し涙もろくなります。

  土佐佐賀はカツオの遠洋漁業の町。 夕食にはカツオのタタキが欠かせません。

 しかも、前もって頼めば、カツオ一匹まるごとから豪快な炎であぶり、大皿に盛るまでの工程の「タタキ体験」ができます。

 ふつうの魚の捌き方とちょっと違います。漁師さんの捌き方でしょうか。 教えてくださる元漁師さんがまるで二人羽織のように教えてくれるのが上手で・・・・「私一人でできた」気になってしまうから不思議です。

自分が作ったタタキが夕食のメインに。高知名物の皿鉢(さわち)になって登場します。

 土佐佐賀のおかあさんたちは人情にあつく、元気いっぱい。日本なのにちょっとラテン系。そういうとお客様がみな、なぜか納得するのだそうです。

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