初めてオーナーのいく子さん(いくちゃん)にお目にかかって10年近く。日々の暮らしの中で心が疲れたかな?と感じるときにいくちゃんの笑顔が恋しくなることがあります。
いくちゃんの癒しの力はすごい。疲れ果てた企業戦士が、学校から遠ざかってしまった女の子が、いくちゃんのおうちで何日かいるうちに、自分のペースを取り戻した。そういうエピソードがたくさんあります。
私の目の前でいくちゃんと久しぶりに再会して、ハグしたとたん涙がぼろぼろこぼれた友人もいました。そんなに疲れていたのねと、あらためて知ったのでした。
農業の傍らいとなむ「ふれあい農園おおた」は、もともとりんご農家だったいくちゃんが、大好きだったお父様に応援してもらいながら開業したと聞いています。 私が訪れたのは11月。 市田柿(干し柿)の産地である飯田市は、柿簾の色も鮮やかに、忙しい収穫時期を迎えていました。
夕食前に、離れにある檜風呂に案内していただくと、そこはいく子さんのお父様(残念なことにお亡くなりになりました)が作ったというお風呂。11月信州の夜は肌寒くて、お風呂のゆげが星空に上っていく。
檜風呂が大きい。のびのびと手足を伸ばす。 ほんとうに癒されるひとときです。
夕食は、地元の川魚、いくちゃんの家庭菜園で育てた野菜、自家製のどぶろく(特区で許可を取っています)などが囲炉裏端にならび、ずいぶん前からここにいるような気がします。
農家民宿はいずこもそうですが、美味しいお料理、きれいな景色、それ以上にそこに会いたい人がいる宿。たぶん、いくちゃんに会いたくて、というリピーターさんがほとんどだと思います。